緋く気高く儚いキミ (ページ3)

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1話ページ3

試験会場に着いて数時間が経つ頃

私は壁に背を預けて眠っていた

「うわぁぁぁぁああっ！！！」

誰かの叫び声が聞こえて目を覚ました

もう……誰だよ、せっかく人が寝てるっていうのにぃ…

閉じかけそうなまぶたをぐりぐり擦り、向けた視線の先には人混みの中で腕がないままうずくまる男と不敵な笑みを浮かべる奇術師のような男がいた

「あぁ～あれは嫌だなぁ、怖いなぁ」

私はあの男…変態を知っている、が、絶対にここでは関わりたくない

そう思った瞬間だった

彼の視線が此方に向き、そして近づいてきた

ゲェ…気づかれてるんだけど

「おやおや……キミ、Aじゃないか♡」

「やっほ～ヒソカ、随分久しぶりだねぇ！正直すごく会いたくなかったけどなぁ～」

話しかけてくる彼に適当に相槌をする私

まさかコイツと会うなんて…神様仏様ぁ最近の私の行いが悪かったの～？確かにいつも悪いことしかしてないけどさ～

「じゃあ、私気分転換にちょこっと歩いてくるから～」

「そうかい？じゃあボクも♢」

「来るなよ変態ピエロさん？」

満面の笑みで挨拶なるものを交わし、私は会場内を歩いて廻った

へぇ、面白そうな人たちがたくさんいるんだねぇ
忍者とか、あのカタカタな人も！身体ン中開いて見てみたいなぁ～

おっといけない、落ち着け自分。今日はハンター試験を受けに来ただけなんだからね、余計なことは考えちゃダメなんだからね！

私が欲を抑えきろうとしていた時、ドンッと誰かにぶつかった

「おわっ」

「っと、あぶねぇ。しっかり前見て歩けよ嬢ちゃん！」

「あぁ、ごめんなさ～い」

ふらついた体制から腕を引っ張ってくれたオジサン

「どうしたの？レオリオ」

「レオリオ、その子供は誰だ？知り合いか？」

その横に、私と同じくらいの背丈の子供とどこか不思議な雰囲気を漂わせた猫目の男の子がいた