フリータイム:伊沢拓司 ページ3
フリータイムになったけど、特にすることもないので飲み物を買いに行くことにする。
このホテルには自動販売機のコーナーがあって、ソファや机と椅子が並んでいる。
私がそこへ行くと、先客がいた。拓司くんだった。
私は2本、コーヒーを買うと、ソファにぐったりしている拓司くんの横に座る。
「まーた、シャイボーイ発動ですか?」
私はそう言いながら1本コーヒーを渡す。
「あぁ、Aか。そう、流石に1週間はきつかったよ。」
拓司くんはテレビとか記事とかで活躍してて、そんな風には見えないだろうけど、中身はシャイボーイなんだって。
「良かったですね、私がいて。」
私と拓司くんは大学ないで知り合って、何度かお茶しに行ったこともあるから、この研修の参加者のなかで本心を見せられる1人なんだそう。
私はコーヒーを飲んで、そのままぐったりの姿勢に戻ろうとした拓司くんに『ご自由にどうぞ』って置いてあったブランケットをかけてあげる。
「まぁ、明日でもう終わるわけですし、今日は休んでくださいよ。」
そう言ってトントンと背中をたたいてあげる。
すると、拓司くんは急に起きあがった。
「あんまり優しくしないでほしいなー。困る。」
何かと思ってびっくりしたじゃないですか!
「あのねー。心臓壊れそう。」
またシャイボーイらしい。私でもダメみたい。
「でもいいや、もう壊れてるから。」
どっちやねん!でも、思ってることなんか口には出さない。
「大丈夫です?私ができることでよかったら、何でも頼み聞きますよ。」
「本当に何でも?何でもじゃなかったら大丈ばないよ。」
「何でもです。」
どうやら、拓司くんは私に頼みたいことがあるらしい。
「じゃ、俺と付き合って。」
でも、頼まれたことはとんでもないことだった。
「何でも、なんでしょ。俺、Aのこと好きだから、何とも思われてないのに優しくされるのは心臓苦しい。Aが俺に優しくする理由作ってよ。」
あの……拓司くんは私がなんとも思ってないって言ってるけど、私も拓司くんのことが好きなんですよ。
それじゃあ、私に残された返事は1つしかないじゃないですか。
「わかりました、その頼みごと受け入れます。」
私がそう言うと、心臓止まった〜って拓司くんが倒れてくる。
私は優しく、拓司くんの頭を撫でてあげた。
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ガーネット - ありがとうございます!本当に河村さん推しなんですよ笑 (2019年1月25日 21時) (レス) id: 40c18b4b8a (このIDを非表示/違反報告)
來音(プロフ) - 真結葉さん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2019年1月25日 18時) (レス) id: 8f4208332b (このIDを非表示/違反報告)
來音(プロフ) - ガーネットさん» もしかして、河村さん推しの方ですか!?私はそうです。受験が終わったら、河村さんの長編を書こうと思っているので恵めると思います!(もちろん短編集でも…) (2019年1月25日 18時) (レス) id: 8f4208332b (このIDを非表示/違反報告)
真結葉 - リクエストのお話、書いていただいてありがとうございます。好み、ドンピシャでした!更新楽しみにしているので、これからも頑張ってください。 (2019年1月21日 0時) (レス) id: 7d43120e7d (このIDを非表示/違反報告)
ガーネット - すごく面白かったです。河村さんを、河村さんを恵んでくださいorz (2019年1月20日 20時) (レス) id: 40c18b4b8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:來音 | 作成日時:2018年12月2日 19時