あなたとともに【赤髪の白雪姫】【オビ】 (ページ9)

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ゼ「Aは昔からやる事が無茶苦茶だな…
まぁ、顔見知りならちょうど良かった。
仲良くしてくれよ！」

『…はぁ…とりあえずそろそろ戻らないと。』

一言物申そうと思ったが、私が言う事ではない。
じゃあ、と踵を返しイザナの元へ向かう。

久しく城に戻ればこれだ。悩みの種が尽きない。
可愛い弟を甘やかしすぎではないか、イザナ殿下…

しかし此処でオビと再開するとは。
二度と会うまいと、奥底にあったオビの記憶を掘り起こす。
ゼンの言うとおり身軽で腕も立つし、頭も切れてたな。
ゼンの従者になるならば頼もしいだろう。
とは言え、裏の人間だ。警戒はした方がよさそうだ。

イ「遅かったな。寄り道でもしてたか？」

『申し訳ございません。入り用がございまして…』

広間にはイザナ一人であった。
ラジ王子もいないし束の間の休息が取れる。
茶会などガヤガヤしている場所は苦手だ。

『ゼンの新しい従者に会ったよ。』

イ「頬に傷のある男か？」

『…教えてくれても良かったのに。
前に会ってたよ。』

驚くイザナ。素性を調査しているだろうが、そこまでは把握してなかったか。

イ「へぇ、Aはあれをどう思う？」

『味方だったら頼もしいだろうね。
警戒はした方が良さそうだけど…』

イ「お前はゼンから離そうとすると思ったが？」

『ゼンが決めた従者だからね。私は何も言わないよ。
まぁ、もし裏切ったら…』

冷めた瞳で力一杯握った拳を見つめる。
何にも無頓着な人間が、従者など務まるのだろうか。

イ「何かあってからでは遅いがな。」

『うーん、ゼンなら大丈夫でしょ？』

ゼンの人を見る目は面白いが確かである。
だからイザナもオビに対して特に行動を起こしていないのだろう。

イ「…さて、そろそろ夜会に向かおうか。」

イザナの一言で広間を後にする。

ゼンと関わる事で、彼自信も変わってほしいと思った。