ゆ (ページ4)

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優しい * ちゃげぽよ。ページ4

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「お、おはよう、Aちゃん」

「 …？おはようございます」

寒い冬の日の朝。
塾の入口付近でほうきを持ってゴミ掃きをするちゃげ先生に挨拶した。先生の雰囲気はどこかいつもと違くて、少し、違和感を感じた

「おはようございまーす」

それなりの声で挨拶すれば奥から珈琲を片手に持った見原先生が出てくる。
その隣ではゆとり先生がソファーに寝転がって爆睡していた。ちゃんとして教師。

「おはよう」

「今日はまだ誰も来てないんですか」

「毎日ちゃんと律儀に来てるのはAちゃんだけだよ」

困った様に笑う見原先生。
……なんでみんな来ないのかなぁ。
楽しいと、思うんだけど。

「今日は3時間後にゆとりんとの授業中入ってるよ。それまで自習室にいる？」

予定表を捲る動作をする見原先生からふわりと香る珈琲の匂いで食用を煽られた。
……食欲、なかったから食べなかったんだよね

「自習室にいます」

「じゃあ鍵、渡しておくね」

冷たくて小さい鍵を受け取り荷物を持って自習室へと入った。中はそれなりに暖かくて、私が来るってわかってて暖房付けてくれたのかな、なんてほっこりする。
こんな朝早くから塾に来るのは私以外にいないから。

「んー…お腹減った……いいや、やろ」

空腹を我慢してリュックからノートと参考書を出し問題を解き始める。
暫く問題を解いていると飽きてきてボーッとしてしまった。

「あ、ここ間違ってるで」

「んっ！！？」

後ろからぬっと伸びてきた手にビックリしてガタガタと椅子が揺れた。倒れそうになるのを件の原因、ちゃげ先生が支えてくれる

「あ、ごめん」

「いや……大丈夫です」

心臓、止まるかと思った。
指の先がピリピリと痺れ呼吸が上がる。
てか、近い。うっすらと付けていないであろう香水の匂いに頭がクラクラしてくる

「 …あ、そだ
Aちゃん、今からご飯行かへん？」

「ご飯？」

私がこんなに葛藤していると言うのに。
先生はケロッとした顔でそんなことを言ってきた

「俺の奢り！」

「行きます行きます」

金欠な私にとって奢ってもらえるのはそりゃもう助かる。思わず即返事をした。
ちゃげ先生は苦笑い。

「次の授業は3時間後やし、ちょっと抜けよっか」

……ゆらりと、長く垂れた髪を揺らし悪戯に笑う先生が心臓に悪すぎて思わず悶えた。