4ドルの甘さ。 ページ10
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ホットドッグでお腹いっぱいの隆二さんと、ホットドッグとキスでお腹いっぱい胸いっぱいの私は、そのまま街へ買い物に出掛けた。
買う物はパーティードレス。
私のクローゼットにあるフォーマルなワンピースは全て黒。
昼間から始まるパーティーに黒はどうなんだろ?と悩んだけど、出発までに買いに行く時間もなく……。
現地調達も良いんじゃない?という隆二さんの一言で、私はロスに着いてから買うことに決めた。
「隆二さん。これ、どこ向かってる?モール?」
「んー、まぁそんな感じ」
地理が分からない私は、ひたすらに隆二さんに着いていくしかない。
「アクセサリーは持ってきたんです。昼のパーティーだからパールのやつ」
「え、そういうのも決まりあるの?」
「一応……失礼があっちゃいけないなと思って」
「そんなガチガチにならなくても大丈夫だよ。アットホームなパーティーだから。ほら、クリスマスに家族で集まるじゃん?そんな感じ」
大丈夫大丈夫、と笑う隆二さんを見上げ私は口角を上げた。
「隆二さんすごいね。アットホームなパーティーに呼んでもらえるなんて」
「パートナー付きでね」
握った手を大きく揺らした隆二さんに、私はまた口角を上げる。
それにしても───
「さっきから路駐してある車が高級車ばっかりじゃないですか?モーターショーみたい……」
写真撮ってる人まで居るし。
「この辺にモールなんてありますか?何て言うか……日本の表参道みたいな雰囲気……」
「あ、着いた」
「えっ!?」
目の前に現れたのは、コンクリート打ちっぱなしの美術館みたいな建物。
「こ、ここ?」
「そう。セレクトショップってやつですよ」
「セレクトショップ!?隆二さん、また変なこと考えてる!私もっとリーズナブルな物で良いですから!リーズナブルって言っても失礼にならない程度のね!」
「その程度のがここにあるって」
隆二さんと私じゃ、そもそもの程度が違うと思う……。
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2019年4月17日 19時