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「はい……分かりました。刺激になるかは分かりませんけど、仕事の楽しさ伝えられるように頑張ります」









「うん。よろしく」









部長が自分のデスクに戻ってから、純奈が私の顔を覗き込んできた。









「よー、チャレンジャー」









「チャレンジャー!?」









「チャレンジャーじゃん。小田さんと仕事するなんて。まぁ、良いきっかけかもね」









「きっかけ?何の?」









「小田さんが本当にAと右の人のこと疑ってるか分かるじゃん」









「分かるかなぁ?って言うか、疑ってないんじゃん?何かそんな気がしてきた」









「あっそ」









どうでも良さそうな返事をした純奈を横目で見ながら、私は“大丈夫、大丈夫”と自分に言い聞かせた。









その日の夕方、嵐士から電話がかかってきた。









“ほら、例の高級料亭”









「うんうん!」









“来週の土曜とかどう?純奈ちゃん達が都合良ければ”









「来週の土曜……夜だよね?」









“うん。何で?昼の方が良かった?”









「ううん!昼は資格取りに行かなきゃいけないから夜のが良かった」









“資格?高所作業車とか?”









「そうだね。そんな感じ」









“どんな感じだよ”









電話の向こうで笑った嵐士は“まぁ良いや”と続けて“純奈ちゃんに確認しといて”と付け足した。









「うん、分かった。あと……私は彼に確認してからでも良いかな?」









“あ、そうだよね。良いよ。行くなって言われたら純奈ちゃん夫婦と3人でも良いし”









「うん、ごめんね。ありがとう」









純奈の返事は“OK”だった。









あとは、隆二さんが何て言うか……。









「あの、隆二さん」









「ん?」









久しぶりの家での食事。









テレビから私へと視線を移した隆二さんは「なに?」と首をかしげた。









「純奈が結婚したんで、そのお祝いの席があるんです。嵐士……前の彼氏主催で」









隆二さんの咀嚼していた顎の動きが止まる。









「前の彼氏、嵐士っていうの?名前までカッコいいね」









「隆二もカッコいいですよ?でね、私も参加する流れなんですけど隆二さんが嫌だなって思うなら行かないから……それを聞きたくて」

3→←疑心暗鬼。



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作者名:ぽち。 | 作成日時:2019年4月17日 19時

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