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“なるほどね、それを早く言いたかったわけね”
「うん、そう！」
“何かお祝いした方が良いよね！？純奈ちゃんにも彼氏にもお世話になってるから……公私に渡って”
「本当に。公私に渡って」
二人でちょっと笑って、私は純奈の話を続けた。
「結婚指輪はね、これから二人で選ぶんだって！それで────」
“いやぁ、俺もお祝い何が良いか考えよ！良いじゃーん、おめでたい話で”
「でしょ！？」
私はスタンドライトを点けて体を起こし、ピアノの椅子に腰を下ろした。
譜面台には、LA.LA.LANDの楽譜。
私が聴きたいと言った翌日、隆二さんがCD屋さんに寄って買ってきてくれた物。
“こっちでもさぁ、ちょっとおめでたいことあって”
「そうなんですか？」
“うん。で、ガーデンパーティーみたいなのするんだって”
「へぇー！アメリカのガーデンパーティーって凄そう！スケールが違いますもんね」
“だよねー。招待状まであってさぁ”
「凝ってますね！大丈夫？ドレスコード。スーツは持ってってないでしょ？」
“えーっとね、ドレスコードはねぇ……”
招待状を読んでいるのか、隆二さんは“うんうん”と言ったあと“大丈夫そう”と呟いた。
“てかさぁ”
「ん？」
“Partner's Nameって欄があるんだよね”
「パートナーネーム？あ、同伴者ってことか。何かアメリカっぽい！」
結婚した途端、純奈が健太郎くんのお家の法事に呼ばれたみたいに、日本ではオフィシャルな場所に配偶者以外の異性を連れていくことは珍しい。
“あなたのパートナーもどうぞ”とオープンなとこが自由の国らしいと思う。
“パートナーってさ……”
「うん」
“パートナー……俺のパートナーって……あ、お前じゃん！”
「え？」
“……来いよー”
言葉は強引なのに、その言い方は甘くて、私の胸をギュッと絞る。
“西海岸まで飛んできて”
隆二さん、私の気持ちはもう、
太平洋を飛んでます。
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作者名：ぽち。
| 作成日時：2019年4月17日 19時
