検索窓
今日:12 hit、昨日:16 hit、合計:335,577 hit

4 ページ30








隆二さんと他愛もない話をしているうちに、私は今日の出来事をふと思い出した。









「隆二さん」









“ん?”









「うちの会社にね、ファンの人が居るんです」









“ファンって……三代目?”









「うん。誰のファンなのかは分からないんですけど……」









ミニタオルの絵柄に反応してライヴにも行くってことは、それなりに深いファンなんじゃないかと思う。









「ロスって地名に反応したりとか、ちょっとドキッとするような発言するんです……私の考えすぎかな?私が隆二さんの彼女だなんて普通思わないですよね?」

 









“そうねぇ……俺が堂々とAの会社まで迎えに行くとか?そういうことしない限りは大丈夫じゃない?あんまり警戒すると逆に怪しいよ”









「ですよね。うん……気にしすぎると怪しいですよね」










私が“隆二さん”と言ったとして、“リュウジ”って名前は世の中に溢れてるし日本人が仕事でロスに行くのも珍しいことじゃない。









隆二さんの言う通り、ツーショットを見られない限り気づかれることはないはず。









“悪いな”









「え?」









“使わなくて良い気ぃ使わせて”









「あ、全然!ただ、私の対応が間違ってないと良いなと思って相談しただけ。あの……あと2週間ですね!」









隆二さんの帰国まで、あと2週間。









梅雨はまだ明けないけど、私の心は真夏のようにキラキラしていた。









.









.









.









.









.









.









.









.









.









.









.









そして────









「お疲れさまです」









「お疲れー」









仕事が終わり、乗り込んだエレベーター。









中には私と純奈、他の部署の人が数名。









一人、また一人とエレベーターを降りていき私と純奈の二人きりになった途端、









「今日でしょ!?もう家に帰ってるって!?」









「そうなの!もう着いてるの!」









私たちはエレベーターが緊急停止するんじゃないかと言う勢いでジタバタした。

5→←3



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (106 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
629人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽち。 | 作成日時:2019年4月17日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。