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テンションMAXで隆二さんの腕に絡み付いた私のこめかみに、彼は唇を寄せた。
「昼はどうする?何か行きたいとことか、」
「あー!チュロスですよ隆二さん!」
「あのさー、あのさー、今さー明日の予定をさー」
「チョコにつけるやつだ!食べる?隆二さん。私おごりますよ!4ドルだけど」
「いや……甘いのはもう良いや」
私はチュロスをひとつ買い、隆二さんの元に戻った。
「美味しー。本当に食べない?一口食べる?」
「食べないって」
「じゃあ絶対あげない」
「あっそ。ってか今日着いたばっかなのにめっちゃ元気だよね!?」
「そりゃ……そうでしょーよ!」
────東京でこんな風に歩けないこともない。
たまには手を繋いだりするし、時間を気にせず散歩したりもする。
でも、そういう時の隆二さんはキャップを目深に被ってたりマスクしてたり。
誰かが風景を撮るために構えた携帯に敏感だったり。
だけど、ロスの隆二さんは違う。
ファッションとして被ってるキャップを「暑い」と取って汗をぬぐったり、大きな声で笑ったり、たまに日本人とすれ違っても真っ直ぐ前を向いてる。
そういう隆二さんと歩けるのが凄く楽しい。
私たちは今、芸能人と一般人でもなければ、観光客でもない。
ただ、街を楽しんでいる二人。
だから、時差ボケも気にならないくらい元気になる。
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2019年4月17日 19時