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「受けた。って言うかもう昨日届け出してきた」
「うそ!うそうそ!本当に!?おめでとう!」
唇から落ちたポッキーを慌てて拾い、私は純奈の手を握り締める。
「良かった!こうなるって信じてたけど本当に良かった!」
「ありがとう」
ゆったり微笑む純奈の顔は、幸せに満ち溢れている。
私は芸能レポーターの気分で純奈に根掘り葉掘り色んなことを聞いた。
いつ、どこで、どんなシチュエーションで答えを出したのか。
健太郎くんはどんなリアクションだったのか。
ご両親はどんな反応だったのか。
「式は!?いつ!?」
「それはまだ。お互い忙しいし、やるとしてもこじんまりかな……内々だけの」
「そっかぁ……いやぁ、何か良いなぁ。健太郎くんと純奈が夫婦だって……私が照れちゃう」
「何でよ!」
「そんでちょっと寂しい」
「だから何でよ!」
「今までみたいに夜中まで飲んだり、お互いの家往き来したり、そういうこと出来なくなるなぁって。でも良いの!純奈が幸せなら私も幸せだし」
飲みに誘って、純奈が“旦那に聞いてみないと”とか言って……想像するだけでニヤニヤしちゃう。
あ、でもそもそも人妻を飲みに誘うってことがいけないことかな?
「あんた何言ってんの?」
「え?」
「何で健太郎と結婚したら私が我慢すること増えちゃうわけ?」
「いや、何かそうかな……って」
「冗談やめてよ。私は結婚しても飲みに行くしAの部屋にも行く。健太郎だって止められないよ〜?」
「純奈に逆らえないから?」
「違う!私が健太郎からのプロポーズ保留にしたとき、Aがくれたアドバイスで今があるから。健太郎だってそれよく分かってるもん、止められるわけない」
「あれはアドバイスとかそんな大それた物じゃないけど……でも……健太郎くんがそう思ってくれてるならそれでいっか!」
「そうそう、それで良いの」
満足気に頷いた純奈は「そろそろ休憩終わりだね」と言い、ファイルから書類を引き抜いた。
「あれ?純奈、有給取るの?」
「そー。健太郎のおじいちゃんの13回忌」
「おぉ!何か人妻感が凄い!」
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2019年4月17日 19時