検索窓
今日:11 hit、昨日:16 hit、合計:335,576 hit

2 ページ2







「受けた。って言うかもう昨日届け出してきた」









「うそ!うそうそ!本当に!?おめでとう!」









唇から落ちたポッキーを慌てて拾い、私は純奈の手を握り締める。









「良かった!こうなるって信じてたけど本当に良かった!」









「ありがとう」









ゆったり微笑む純奈の顔は、幸せに満ち溢れている。









私は芸能レポーターの気分で純奈に根掘り葉掘り色んなことを聞いた。









いつ、どこで、どんなシチュエーションで答えを出したのか。









健太郎くんはどんなリアクションだったのか。









ご両親はどんな反応だったのか。









「式は!?いつ!?」









「それはまだ。お互い忙しいし、やるとしてもこじんまりかな……内々だけの」









「そっかぁ……いやぁ、何か良いなぁ。健太郎くんと純奈が夫婦だって……私が照れちゃう」









「何でよ!」









「そんでちょっと寂しい」









「だから何でよ!」









「今までみたいに夜中まで飲んだり、お互いの家往き来したり、そういうこと出来なくなるなぁって。でも良いの!純奈が幸せなら私も幸せだし」









飲みに誘って、純奈が“旦那に聞いてみないと”とか言って……想像するだけでニヤニヤしちゃう。









あ、でもそもそも人妻を飲みに誘うってことがいけないことかな?









「あんた何言ってんの?」









「え?」









「何で健太郎と結婚したら私が我慢すること増えちゃうわけ?」









「いや、何かそうかな……って」









「冗談やめてよ。私は結婚しても飲みに行くしAの部屋にも行く。健太郎だって止められないよ〜?」









「純奈に逆らえないから?」









「違う!私が健太郎からのプロポーズ保留にしたとき、Aがくれたアドバイスで今があるから。健太郎だってそれよく分かってるもん、止められるわけない」









「あれはアドバイスとかそんな大それた物じゃないけど……でも……健太郎くんがそう思ってくれてるならそれでいっか!」









「そうそう、それで良いの」









満足気に頷いた純奈は「そろそろ休憩終わりだね」と言い、ファイルから書類を引き抜いた。









「あれ?純奈、有給取るの?」









「そー。健太郎のおじいちゃんの13回忌」









「おぉ!何か人妻感が凄い!」

3→←Flying Come.



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (106 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
629人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽち。 | 作成日時:2019年4月17日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。