No.1510。11 (ページ26)

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私は隆二さんの胸で深呼吸をして、笑顔で彼を見つめた。

隆二さんも優しく微笑み、その唇が近づいてきて────

「ストーップ！」

私は隆二さんの唇を手で塞いだ。

「お風呂、先です！」

「……ほら、調子がおかしい」

「おかしくない！まずはお互いにさっぱりしましょー！」

私たちバスルームでじゃれあったあと、ベッドの上に座り込んだ。

私の唇を丹念に吸いながらTシャツの裾から手をさし入れ、膨らみを探る隆二さんのその手つき。

いつもはゆったり脱がされる服も、今夜はちょっと荒っぽく床に散らばっていく。

押し倒されて、唇を甘く噛まれて、私はそのまま隆二さんの背中に手を這わした。

抱きしめると弾力があって、すべすべして、私の体の凹凸にピッタリと吸い付く彼の身体。

いつもより強い握力とは裏腹な子守唄のような愛撫。

男の人の“がっつく”ってこういうことなのかな、と思うほど今夜の隆二さんは激しかった。

私の体の上で動く、彼の身体の美しさ。

匂い立つような甘い水分を含んだ香り。

彼の全てに包まれて、甘く切ない塊が下から上へと駆け上ってくるのを、その夜私は何度も感じました。

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「ニューヨーク？」

「そう、ニューヨーク。タイムズスクエアにカウントダウンしに行ったんです」

呼吸が整うまで、私は肩で息をしたまま隆二さんの胸に頬を寄せた。

その間に色んな話をして、いつしか海外でデートしたことある？って話になった。

「連れてってくれたの？前の彼氏が？」

「仕事のついでみたいな感じで。でもタイムズスクエアのとこまで行ってゲートに入る直前、彼は仕事で呼び出されました」

「で？」

「私は先にゲートの中に入って……でもね、ゲートに入るともう出られないんです」

「え！？」

「私それ知らなくて。カウントダウンまでの6時間、私は飲まず食わずトイレにも行かず、極寒のニューヨークの空の下、一人で過ごしました」

「彼氏は！？」

「年が明けてから戻ってきた」

私は思い出し笑いをしたけど、隆二さんは信じられないって顔をしてる。