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────翌朝、寝返りをうった拍子に目覚めた私。

目の前には私を見つめてる隆二さんが居て、朝からドキッと胸が波打つ。

「おはよー」

隆二さんは枕に肘をついて、私の前髪をかき上げた。

「おはよ。早いですね……」

「うん、何か目ぇ覚めた」

「起こしてくれたら良かったのに」

シーツを引き上げ、私は彼の腰に腕を回す。

「寝顔見てた」

「わ、私の？」

「そう。天使みたーい、と思って」

「天使？私の寝顔が？」

「うん」

「……天使の寝顔見たことある？」

「……ない」

私たちは笑い合って互いの体を密着させた。

「見たことないけど天使が寝てたらそういう顔なんだよ、決まってんの、そういう風に」

「そっか」

寝顔をそんな風に言われたことなくて、照れ臭さを笑って誤魔化す私の背骨を、彼の指がゆっくりなぞる。

「……今日から名古屋ですね」

「ね？」

「そろそろ……用意する？」

「そうだね、１回家戻んなきゃだし」

「じゃあ、私も起きよっかな」

さっとナイティを着てベッドを出た私に向かって、隆二さんが手を伸ばした。

「起こして」

「……起こしたら引っ張るんでしょ？私の腕」

「よく分かってるじゃん」

ヘラッと笑った隆二さんの手を、私は軽く握った。

引っ張られるのは分かってるけど、握ってみた。

案の定、私は引き寄せられて隆二さんの上に跨がる体勢になる。

「隆二さん、遅れちゃうよ？」

「うん」

隆二さんの手が私の背中を押して、私は彼の胸に頬を付ける。

「あと10秒」

「ん？」

「あと10秒したら起きるから」

「……はい」

私の髪に鼻を押し付け、肩から背中をゆっくりと何度も撫でる隆二さんの指に、

私は暫し、酔いしれた。