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「やっぱりさぁ、女は愛されてなんぼだよねー」









私の左手の指先を持ち、純奈が溜め息混じりにそう呟いた。









「このダイヤから放出されてる」









「なにが?」









「右の人の愛」









フロアの照明でキラッと光る指輪を見て、私は頬を緩めた。









「しかもさ、お正月はバリなんでしょ!?」









「うん」









「どこ泊まんの?ホテル?ヴィラ?」









「えっとね、ここ。隆二さんが決めてきてくれて」









携帯の画面を見せると、純奈は「あぁ!?」と叫んだ。









「フォーシーズンズ!?しかもプレミアオーシャンヴィラ!?もう何それ!」









「私もまだ詳しく見てなくて……」









「いやもう見なくても分かるじゃん!プレミアでオーシャンなヴィラなんじゃん!」









「そ、そっか!」









「いやぁ……これであんたが“地元に帰ったら優しい両親が居ます”とかだったら一発殴ってるわ」









「何それ!私がバリに行くことが親が居ないことで相殺されてるってこと!?」









人が聞いたらドン引きしそうな会話をしている私たち。









「でも本当羨ましい。右の人みたいに好きだ好きだって大事にしてくれる人と居ると幸せだもんね」









「よく言うよー、プロポーズされた人が」









純奈は“まぁまぁ”と笑ってもう1度私の指先を持った。









「何回見てもキレイ」









「うん、キレイ。これ見てると頑張れるし、何かね……ニヤニヤしちゃう」









「ふーん」









「今朝、隆二さんが“浮気すんなよ”って言ったんだけど、するわけないじゃんね。でも目が真剣なの。あの目で真剣に言うんだよ。それがもう……凄くかっこよくて」









「ふーん」









「しかも今朝CM観ちゃって。曲がね……ふふっ」









「……あのさ」









「ん?」









「私“この日本語いつ使うんだろ”って思ってた言葉があるんだけど。あんたに使って良い?」









「なになに?」









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「浮かれポンチ」









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「え……」









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11月16日
闇山“浮かれポンチ”闇子。

作者より。(移行編)→←3



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作者名:ぽち。 | 作成日時:2019年1月14日 17時

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