検索窓
今日:29 hit、昨日:19 hit、合計:406,559 hit

3 ページ3






ティファニーブルーの鮮やかな箱を、私はテーブルの上に滑らせた。









「お誕生日、おめでとうございます」









隆二さんはまばたき1つしないで箱を手に取り、









「えぇえぇ〜!何で〜!?」









と、笑いながら天井を扇いだ。









「何で?何で知ってんの!?これ欲しがってたの何で知ってんの!?」









「ふふっ。あ!でも中身違ったら怖いから早く開けて開けて!」









「やべぇー、ドキドキするわ」









私もドキドキします。









隆二さんがリボンをほどき、箱を開けた────。









「……いやぁ、まじで何で……」









「あってます!?それですよね!?」









「あってる……まじで何で!?俺ちょっと怖いんだけど!」









心臓の辺りをさすりながら、隆二さんが真顔になる。









「こ、怖がらないで下さいよ!臣くんに協力してもらいました」









「臣!?何かそれはそれで怖い!」









「なんで!」









隆二さんは「うそうそ」と笑い、昨日臣くんとバッタリ会えてティファニーに行った話を目を細めて聞いてくれた。









「臣くんと会わなかったら絶対分かりませんでした。隆二さんは何も要らないって言ったけど、私が何かしたくて……わがままに付き合ってもらったんです」









「そっかぁ……」









隆二さんが、手のひらに広げたネックレス。









ゴールドのリンクネックレス。









隆二さんとティファニーが結び付かなかった私も、このネックレスを店頭で見て納得。









シンプルなデザインは、彼の肩から胸にかけてのラインをより美しく見せてくれるはず。









「ありがとう。結構……したでしょ」









“ううん”と首を振り、私は笑顔を向ける。









「これマジで欲しかったやつで……Aから貰って余計に嬉しい。ありがとう。いやぁ、やばいな……もう……付けまーす」









隆二さんが首に手を回し、私はサッと鏡を用意した。








「どお?」









「似合う……!隆二さん!似合う!思ったよりすっごい似合う!」









「どう思ってたんだよ!」









「似合うと思ってたけど想像以上ってことです!」








鼻息荒く話す私の目の前で、隆二さんは少し顎を上げ鏡を見た。









「……Aぶらさげてる感じ」









「えっ……」









「付けてるとき、Aと一緒」

4→←2



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (107 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
743人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽち。 | 作成日時:2019年1月14日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。