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隆二さんは顎を触りながら、私のことをチラッと見下ろした。









「一緒に入る?」









「え!?」









「え!?って。そんなビックリする?」









「い、いえ、ちょっと想定外で……私、隆二さんお風呂入ってる間ご飯の用意しようかと思ってて……」









ベタな和食を作ろうかと買い物までしてきちゃったんだけど……









「でも良い。一緒に入ります」









ほっぺたに触るくらいじゃ、今はちょっと物足りないから。









「隆二さん、オーストラリアで観光出来た?」









「ちょろっと?」









「海行った?あ、シャンプー下さい」









「ん。海は見た」









「船あった?」









「あったかなぁ?」









私たちは交互にシャワーを使いながら髪や体を洗っていき、一緒にバスタブに体を沈めた。









「あ!会社の子に貰ったバスミルクあったんだ!」









バスソルトやバスオイルが入ったステンレスのカゴから、私は貰ったばかりのヴェレダのバスミルクのセットを取り出した。









「香りは5種類……」









「隆二さんどれが良い?」と、私の脚の間に入って鎖骨の辺りに頭を預けている彼の顔を覗き込む。









「任せまーす」









「うーん」









私はラベンダーの香りをチョイス。









「これ、お風呂入ったままマッサージすると良いそうです」









「へぇ」









「優しいラベンダーの香りがあなたをリラックスさせてくれるでしょう……だって」









バスミルクを垂らすと、お湯がまだらに白くなった。









手のひらでかき混ぜると、ふわっとラベンダーの香りが立ち上ぼり、乳白色のお湯に変わっていく。









「良い匂い」









隆二さんの髪を指ですくと、彼は「うん」と答えて目を閉じた。









その眉間に、疲れが滲んでる。









しっかり筋肉のついた彼の肩に手をかけ、指に力を入れてみる。









「隆二さん、肩張ってるね」









「エコノミーで10時間つれぇー」









「こんなに事務所に貢献してるのにエコノミーなの?品川の労働基準監督署に連絡したら?」









「取り合ってくれっかなぁ」









クスクス笑った隆二さんはお湯をすくった手で顔を洗い、また目を閉じた。

3→←それから、これから。



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作者名:ぽち。 | 作成日時:2019年1月14日 17時

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