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「そうなの。DMかなと思って………でもお店の名前くらい印刷してあるよね普通」
「変な手紙だったらどうするぅ?」
「“何をしたか知っている”とか?」
「それ、なんの映画だっけ?」
「ラストサマー」
「そうだ!」
二人でクスクス笑いながら封を開ける。
「本当に何だろね?」
中身を引き抜いて、
.
.
.
「え……」
.
.
私は思わずマグカップを落としそうになった。
「中身、何だった?」
「……これ」
「ん?」
私の手元を見て、純奈が「あっ!」と叫んだ。
「A!これ!」
「うん……」
────真っ白な封筒から出てきたのは、
右下に“invitation”と印字されている、
東京ドームのチケットだった。
「………A!ほら!右の人忘れてなかったじゃん!」
「うん……」
「昨日私がポスト見たときは無かったから……この雨の中、届けに来てくれたってことだよね!?」
「うん……」
「さっきから“うん、うん”って!ちょっと!聞いてんの!?」
「うん……」
ただ、返事をすることしか出来ないくらい
私の頭は真っ白。
封筒と同じ、真っ白だった。
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2018年9月16日 14時