No.1510。 (ページ20)

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「それでー、また連絡しますって言ったんだよね？……うーん」

「……あ！あれかな！？本当に着信拒否したりしたら私が逆上すると思って取り敢えず“また連絡します”って言ったのかな！？ありそうじゃない！？」

「だからぁ、逆上する恐れのある人には最初から連絡しないってば。それにそんな人の前で寝ない。寝顔撮られてあることないこと発信されたら困るじゃん」

「だからぁ、そのリスクを楽しんで、」

「Aー」

純奈は私の隣に座り、指で肩をつついてきた。

「何でそうやって悪い方に考えるの？右の人の“楽しかったからまた話したくて”って、本心なんじゃないかな？」

「本心……」

「朝まで話してたんだもん。Aがそんなヤバイ女じゃたいって分かってると思うよ。Aも本当は分かってるんでしょ？」

「……何を？」

「右の人が、女をからかったり面白がったりするような人じゃないって。じゃなきゃ……私の部屋に“どうしよう”って駆け込んできたりしないって」

本当にからかわれてると思ったなら、私が隆二さんの番号を拒否すれば良いだけだと純奈は言った。

「……だよね！？大体、本当にまた電話あるかどうかなんか分からないし。ごめんね、また話聞いてもらって。ありがとう」

ソファから立ち上がり「おやすみ」とドアを開けた私を純奈が呼び止めた。

「A」

「ん？」

「右の人のこと、好きなの？」

「……昨日、初めて会った人だから。好き嫌いの前に、どんな人かよく分からない。この電話で、益々分からなくなった」

純奈に笑顔を投げ掛け、私は彼女の部屋を出た。

緊張のせいか、手がすっかりかじかんでいた。

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その日、仕事が終わった私は水上バスに乗っていた。

何か煮詰まることがあるときは必ず船に乗る。

乗る船もいつも決まっていて、18時に日の出桟橋を出て20分の乗船時間の後、お台場へと到着する「ホタルナ」