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2 side R ページ7






「次の日、隆二さんは仕事に行って私は海に行った。で、知らない人にこの写真を撮ってもらった」









「……あとでこの水着の写真頂戴」









「もう!真面目に聞いて!」









「聞いてるよ!はい、次は?」









「んと、次は……夕方から二人でご飯に行きました。私がアメリカンダイナーみたいなとこが良いってリクエストしてて、隆二さんが予約してくれてた」









「うん、あってる。そのとき何色のワンピース着たか覚えてる?」









「黒!」









「正解」









「やった!」









喜ぶ彼女の腰を抱き、俺はテーブルに肘をついた。









きっと、彼女は全部覚えてる。









抜け落ちてたマグの記憶もしっかり思い出したんだから。









「本当は夕日を見ながら食べるはずだったのに、私たちはポテトの量についてディスカッションしてて、肝心の夕日を見逃しました」









「そう。Aが大きいサイズ頼んだから」









「あの時はごめんね……」









「もう良いって!はい次は?」









「次は、そのあとにサンタモニカ・ピアに行きました。パシフィックパークって遊園地で観覧車に乗った」









「うん」









窓のない観覧車に、Aは怖がってた。









あの観覧車は8ドルで、降りてからAの気分を休めるために、近くの店でソーダを買った。









水族館が閉まってたことに彼女はガッカリしてて、おもちゃみたいな貝殻のネックレスが並ぶ店を眺めてて……









欲しいの?って聞いたら彼女は“ううん”って首を振って、その耳元で小さなダイヤが付いたピアスが揺れていた。









彼女が思い出を語る度、俺の頭の中にも鮮明に甦ってくる。









「私、水族館に行きたがってた。で、ネックレスを見てた」









「そう!」









「ですよね!?覚えてるじゃん私!」









「うん、しっかりと」









「良かった……あ、サンタモニカ・ピアの思い出は以上です」









「了解です」

3→←二人の地図を。side R



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作者名:ぽち。 | 作成日時:2018年5月23日 18時

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