検索窓
今日:56 hit、昨日:32 hit、合計:401,165 hit

3 ページ28






どんなに唇を重ねても足りない夜。









隆二さんは、私の体のパーツひとつずつにキスを落としてくれた。









肩や背中、膝や足首にも。









部屋に流れる彼の歌声と息遣い。









混じり合う二人の香り。









「隆二さん……」









私を見下ろしていた彼が、動くのをやめて私の前髪をかきあげた。









「どうした?」









「私が眠ってから部屋を出てくれますか……眠るまで、傍に居て欲しい」









「分かった。傍に居る」









私はキスをせがんでから、目を閉じた。









────隆二さんが私を見つけてくれなかったら、









降り積もったあなたへの想いの上で、私は泣いてた、今も。









今、感じていることの全ては、思い出に変わる。









ちゃんと思い出に変わる。









二人だけの夜のこと、私は忘れたりしない。









隆二さん、私の名前をもっと呼んで









砕けるくらい、抱き締めて────。

4 side T→←2 side R



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (103 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
779人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽち。 | 作成日時:2018年5月7日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。