雪椿の頃。7 (ページ14)

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彼女たちの背骨。ページ14

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晴れ渡り、雲ひとつない青空が広がった月曜日。

週の始めは憂鬱になりがちだけど、ここまで空が綺麗だと憂鬱になる隙もない。

「うまくいってるかなぁ……」

四季は今日、岩田さんと３回目のデート。

映画館、水族館ときて今日は動物園。

子供の遠足だよねと笑った四季だけど、意外と動物園はカップルが多い。

３回目のデート、岩田さんは男らしく決めるだろうか───。

岩田さんはどんな風に四季を落とすんだろう……

デスクに肘をつき、悶々とそんなことを考えながら窓の外を見ていると「Aさん」と声を掛けられた。

「あ、トミちゃん」

トミちゃんがピョコっと頭を下げる。

「あれ？Aのこと☆さんからAさんって呼ぶことにしたの？」

後ろの席に居たちーちゃんの言葉に、トミちゃんは照れ臭そうに頷いた。

「☆さんじゃ堅苦しいからって私が言ったの。で？トミちゃんどうした？」

「あの、この間のお詫びを……」

トミちゃんはそう言って、コロンとした瓶のリンゴジュースを私に差し出した。

「え！良いのに！トミちゃん知らなかったんだし！私が……誰と付き合ってるか」

「いえ、そもそも私生活に関わることを軽々しく口にした私が悪いので」

私生活に
関わることを
軽々しく
口にした

これでお詫びなら、私と四季は毎日誰かにお詫びの品を配らなければならない。

「気にしないでねトミちゃん。これは……差し入れとして頂きます。ありがとう」

トミちゃんは少しホッとしたような表情で“ふぅ”と息を吐いて私の顔をまじまじと見た。

「Aさん、今日肌が艶っぽいですね……下地とか変えました？」

「ううん、変えてないけど……」

「やっぱり……良い恋愛してるからですか」

「さ、さぁ？どうかな？」

あまり真剣に聞かれるとこちらも戸惑う。