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眉間に皺を寄せた隆二さんに低く囁かれ、私の鼓動は跳ね上がった。
「好き、です」
途切れそうになる声を繋いで、私はもう１度「好き……」と呟いた。
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二人でシャワーを浴びて体をタオルで拭いている間、すっかり頭が冷静になった私は隆二さんを掬い上げるように見た。
「うちのコンロが自動消火じゃなかったら危なかったと思うなー」
「はいはい」
「急に押し倒すからビックリしちゃったなー」
隆二さんが「分かったって」と笑いながら私の横を通り過ぎようとして、私は大袈裟なくらいに体を引いた。
「何でそんなよけてんだよ」
「また襲われたら困るから」
からかうような笑みで隆二さんを見ると、彼は“ふんっ”と鼻に引っかけるように笑った。
「何ですか？その鼻で笑ったみたいな」
隆二さんは洗面台の鏡を見ながら髪を手ぐしで後ろに流し、私に意地悪な視線を投げた。
「お前よく言うよなぁ？ソファのとこの床、ビチャビチャにしたくせに」
私の頭にポーンとタオルを投げ、隆二さんがリビングに戻っていく。
「………」
頭にかかったタオルの中で私は恥ずかしさにうつ向いて、更に「はぁあぁぁー……」と唸った。
二人の体から落ちた脱衣所の床の水滴が、
リビングの床のそれを思い出させたから。
「はぁあぁあー……」
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作者名：ぽち。
| 作成日時：2018年3月29日 18時
