世界一美しい数式。side T ページ34
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「A、風邪なんだって?」
臣さんの質問に「うん」と答えて、俺は携帯を取り出した。
「ねぇねぇ臣さん、インスタ見たぁ?」
「誰の?」
「んっ」
俺が顎でしゃくった先には、白ニット。
「何で岩ちゃんがチェックしてんだよ!ウケる」
「だって気になるじゃん。この“仲直り”とかさ、誰と?って」
「どれどれー?」
臣さんは俺の携帯を覗き込み「隆二だろ?」と目線を上げた。
「と、思うじゃん?あの二人仲直りなんかしてないよ」
今だって隆二さんは足を組んで座ったままだし、白ニットはそんな隆二さんを気にしながらも話しかけない。
「ヤバイまんまなの?」
「そうなんじゃない?何かこう……決定的なことがあったって言うか」
「決定的?」
「………白ニット、Aのことボロクソに言ったらしいよ」
「は!?なんて!?」
俺は辺りを伺ってから臣さんの肩に腕を回した。
「この間さぁ、隆二さんが白ニットと電話しながら怒ってたわけ。で、俺は気になっちゃって」
「うんうん!」
「ほとぼり冷めたかなぁ?くらいの時に聞いたんだよ、どうしたのー?って」
「そしたら!?」
「白ニットがAのことを“隆くんに色目使ってるぅ”とか“誘ってるぅ”とか“下心があって一生懸命に働いてるだけ”って言ったんだってよー」
「まじ!?つーか、白ニットってAのこと語れるほど知らねぇだろ?」
「そーなの!だから俺はね、隆二さんが白ニットにポロッと言っちゃったんじゃないかと思って」
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2018年1月21日 17時