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────四季が、私のデスクにスッと携帯を滑らせてきた。









「……何?」









「隆二さんと白ニット、ギクシャクしてるみたいだよ」









「ギクシャク……」









詳しくはインスタに書いてあるから読んでみろということなのだろうけど……









「……四季ごめん。何かこの文章目が滑る」









感情に任せて書いたのだろうか、白ニットのインスタの文章はまるでまとまりがない。









「読みなさいよ!今世紀最大に面白い読み物だから!」









「えー……やだ」









「もー……。あのね、隆二さんが上の空だって書いてあんの。嘘ついてるんじゃないかって」









「嘘?何の嘘?」









「さぁ?」









四季はニヤニヤしながら携帯を自分のデスクに戻した。









「何かあったのかなぁ……って、私が気にすることじゃないんだけど」









「……一貫してるね、Aは」









「え?」









「隆二さんと白ニットが揉めてても喜ばない。自分の好きって感情を少し離して考えてる。隆二さんの笑顔を邪魔したくないって発言が嘘じゃないって分かるから……そう言うとこ大好き」









「ねぇねぇ、だから何曜日の女にしてくれるの?」









四季は「いつでも駆け付けるよ」と笑って、ふと卓上カレンダーに目をやった。









「あ!今日だよね?隆二さんとバー行くの」









「そうなの!服装、これで良いかな……?」









「大丈夫大丈夫。でも今夜冷えるみたいだよ?マフラーとか忘れないようにね」









「うん。ありがとう」









待ち合わせは午後10時。









その頃、東京は氷点下になるとニュースで言っていた。









コートの下にもう1枚着た方が良いかもしれない。









バーの閉店は0時。









2時間、隆二さんとどんな風に過ごせるだろう。

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作者名:ぽち。 | 作成日時:2018年1月21日 17時

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