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情熱至上主義。 ページ1





その日の四季の第一声は









「ムカつくわー」









だった。









「あのさぁ、取材する側の人間が控え室でいちゃついてどうすんの?どういう心情なの?ムカつくわー白ニット」









四季のこめかみには今にも青筋が立ちそう。









「Aも黙って立ち去らないで“おっはよーございまーす!”って入っていけば良かったんだよ」









「天の声みたいに?」









「そうそう。いやぁ、本当ムカつくわ。公私の線引きどうなってんの」









「でも、それを言うなら隆二さんもじゃない?“ここではちょっと”って言えばよかったじゃない」









「……Aは中々冷静だね」









「だって……見たのが私だから問題なかったけど、他の人だったら?良からぬ噂が立ったかもしれないんだよ?写真撮られたりしたら大変……まぁ、そんなことする人居ないだろうけど……」









「そうだねぇ……」









四季は頬杖をついて何か考えたあと、もう一度「そうだねぇ」と呟いた。









「Aが言うみたいに見られるかも知れなかった……。見られたかったのかもねぇ、白ニットは」









「え?」









「外堀から埋めるって言うか……」









「その必要ある?白ニット、隆二さんが自分に好意寄せてること気付いてるはずなのに」









「言わせたいんでしょ、隆二さんに“好きだ”って。ああいうタイプは自分から言わない。言えないんじゃなくて言 わ な い」









私がみんなに背中を押されて隆二さんの視界に入ってみようと思ったみたいに、









みんなに冷やかされて“好きだ”と言う決心がつくっていうのは……あるかもしれない。









「四季………そもそも隆二さんは何で白ニットに“好きだ”って言わないんだろ!?」









「知らないよ!本人に聞いてきなよ!あっちのミーティングルームで収録行く準備してるから!」









「えー……良いや」









私はデスクに突っ伏した。









「良いの?私が帯同するんだけど、A代わる?」









「ううん。何か……良いや」









隆二さんのことが嫌いになったとかじゃなくて、今日は何だか物凄く疲れている。









きっと、色んなことを考えているせい。

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作者名:ぽち。 | 作成日時:2018年1月21日 17時

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