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大きなカートが行き交う通路をクネクネと曲がりながら、二人で“あれは?”“これは?”と見て回る。









前から欲しかったボウルセットや、いつも買う洗剤、仕事で使う文房具を買い込んだ私は棚に並んでいる食器のセットに駆け寄った。









「食器、新しくしちゃおうかなぁ………でもこの一番大きいお皿は欲しくないしなぁ……隆二さんどう思う?……あれ?」









────隣に居たはずの隆二さんが、カートごと忽然と消えた。









「え、どこ………」









小走りで店内のあちこちを探していた私は、









「あ、居た」









ハロウィン商品が並ぶ一角で、シルクハットを被ったパンプキンの置物を真剣な顔で見つめている隆二さんを発見。









「隆二さーん、急に居なくならないで下さいよ」









「え?あ、ごめん。ちょっ、これ可愛くない?」









隆二さんがパンプキンのオブジェの帽子を指でつつくと、パンプキンの首がユラユラ揺れた。









「あ、可愛い!ハロウィンの置物って可愛いですよねぇ」









「だろ?買おう」









「え」









「庭に置こうよ」









「え」









可愛いけど………凄く可愛いけど……。









「隆二さんて、こういうの好きなんだ?何か意外だな……」









「え、そう?何かさぁ一軒家って飾りたくなんない?」









「私はあんまり……」









「寂しいな、お前は」









「ひ、独り暮らしだとそんな暇ないんですよ!」









「あー、何これー」









ムッとする私を無視して、隆二さんは先へと歩いていく。









「A!A!“ゴーストハウスの執事”だって!やっば!デカイ」









隆二さんが指さしたのはフランケンみたいな顔をした2mはあろうかという男が執事の格好をしている人形。









目玉が光って、おまけに英語で何か喋っている。









「す、すごいですね……」









「だろ?買お」









「はぁ!?こんなのどこに置くんですか!?」









「………庭?」









「こんなもん庭に置いてたらご近所さんから苦情殺到ですよ!」









隣のおばあちゃんがコレ見てビックリして何かあったらどうするんだ。

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作者名:ぽち。 | 作成日時:2017年9月2日 14時

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