色戀、召しませ。─sequel─4 (ページ42)

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その日、隆二さんが帰宅したのは臣くんが帰ってから一時間程した頃。

二人で夕食を済ませ、後片付けをしていると隆二さんが「なぁ」と私の背中に声をかけた。

「明日時間あるからどっか行こうよー」

「明日？良いの？疲れてない？」

「疲れてない。ぜーんぜん」

食後に出したリンゴを頬張り、隆二さんがキッチンに入ってきた。

「なぁなぁ、行こうよ」

「うん！行く行く！」

「どこ行く？」

「どこが良いかなぁ……」

私はペーパータオルを出すために棚の扉を開け、そこに入っている物のストックが減っていることに気が付いた。

「………大きいとこ行きませんか」

「大きいとこ？」

「隆二さんがポップコーン買うとこ」

「………あ！あそこね。言っとくけど物置はもう買わないよ」

「２つも要りませんよ！」

隆二さんは「あぁ、そう？」と笑いながら、私の唇に自分の食べかけのリンゴを近付ける。

「じゃあ大きいジャングルジムみたいなの買うか」

「まだ早いってば」

私は隆二さんの指先から直接唇でリンゴを受け取り、口に広がるその甘さを目一杯に堪能した。

「家電も見に行く？」

「家電？」

「このレンジ、限界だろ」

「あぁ……」

我が家のレンジは最近、5分以上加熱するとエラーが起きる。

「だったら買うより隆二さんが今使ってるやつ下さいよ。レンジも新しくなるし、引っ越しの荷物も1個減るし一石二鳥！」

「無理。あのレンジ欲しいって言われてあげちゃったもん」

「誰に！？」

「あのなぁ、うちの事務所にも食うので精一杯の子いるんだよ？」

「そ、そうなんですか……」

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「あ！ハンガー！これ必要ですよね！？隆二さんの服用に」

「おぉ！丁度良かったじゃん！」

平日なのにお店の中はそこそこ混んでいた。