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Pre-wedding jitters? ページ41






「西日がすげぇな、西日が」









昼過ぎにひょっこり我が家に訪ねてきた臣くんは、開け放った窓辺に足を投げ出して座り、カーテン越しの庭を眺めている。









「お肌焼けちゃうからもう少し下がった方が良いかもしれませんよ?」









「んー、そうだね」









岩ちゃんや臣くんが訪ねてくると、私は以前まで“どうしたんですか?”とか“何かありました?”とか聞いていたけれど、









最近は何も聞かなくなった。









彼氏の仲間が遊びに来てくれることに理由は必要ないだろう。









「それ、畳んでるの隆二の服でしょ?」









「ん?うん」









隆二さんはマンションに置いてあった服を半透明のごみ袋に突っ込んで我が家に持ってきた。









彼は二度と岩ちゃんに“ガサツ”とか“雑”とか言わないで欲しいと思う。











「すげぇ量だな」









「そうなんですよー………」









クッシャクシャになった服を全て洗い直した私は、今それを畳む作業に追われている。









「俺も手伝うよ」









「ありがとうございます!助かります!」









「そう言えばAちゃんこの間、隆二に“私で良いんですか”って聞いたんだってー?」









私より丁寧に服を畳みながら、臣くんは小さく首をかしげた。









「マリッジブルーってやつ?」









「マリッジブルーって挙式とか入籍が決まった人がなるんじゃないですか?私たちはまだそこまでじゃないから。あれは本当に酔ってて聞いちゃっただけで……」









「それなら良いんだけどさぁ」









「………男の人もマリッジブルーになるのかな」









「男はなんなくない?」









「なんで?」









「男は“こいつだ!”って決めてプロポーズするじゃん。だから迷わない………あれ?じゃあ逆プロポーズだったらやっぱマリッジブルーになるのかな?」









「うーん………」









「うーん………」









私たちは、西日が射し込む窓辺で、マリッジブルーについて暫し考え込んだ。

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作者名:ぽち。 | 作成日時:2017年9月2日 14時

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