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「そう？結婚期間が妊娠期間より短い状態での出産が流行ってるみたいだから言っただけだよー？」
「結婚期間が妊娠期間より短い状態での出産って……随分回りくどい言い方するね。良いじゃん“できちゃった”でも“作っちゃった”でも。“おめでた”って言うくらいなんだからおめでたいんだよ、やっぱり」
「じゃあAんとこもさっさと作りなよ」
「それは……どうかなぁ」
「なんで？」
他の人がいつ結婚するとか、いつ子供を産むとか、そういうのは気にならないし批判をする気もない。
ただ、私には私の“筋”がある。
それに反することをするのが、とても嫌なだけ。
「今、私がやらなきゃいけないのは隆二さんと子供作ることじゃないから。秀香とこのキャンパス作ることが先！」
デスクに広げた校舎の図面を指差すと、秀香は「だね」と頷いた。
「………けどさぁAと隆二さん、ちょっとは“まじか！”って思ったでしょ？ねぇ？思ったよね？ニュース見てさぁ“あぁー！”って。ねぇ」
「だから！誰のこと言ってんの！？何のニュース！？」
「ふふっ。分かってるくせに」
「秀香、その辺にしときなよ」
「隆二さん、お祝いコメント出さなかったね。ふふっ」
「秀香！」
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二人で図面を仕上げ、会社を出たあと、私がスーパーに寄って帰ると言うと秀香は「私も」と、ついてきた。
「鮭高いな……」
「なに？食材買い込んで。これから隆二さん来るの？」
「分かんない」
「分かんない？分かんないのにご飯作っとくの？健気〜」
「あ！違う違う！隆二さん最近夜中に黙ってうちに来るの。だからこれは朝御飯の材料」
「黙って来るってどういうこと？」
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作者名：ぽち。
| 作成日時：2017年9月2日 14時
