雪椿の頃。 (ページ47)

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待ち合わせから20分と少し。

緊張してドキドキして、顔を赤く染めた私と

ずっと自然体だった隆二さん。

彼はきっと地元の友達とか臣さんとか岩田さんとか四季とか……そういう仲間と居るときはいつでもこんな感じなんだと思う。

優しくて気配りが出来て明るくて……いつも、仕事場で私が見てる表情と同じなんだと思う。

裏表のない、素敵な人。

でも、見てみたい。

好きな子と二人きりの時、どんな風に接するのか。

たった20分の間に何度も笑顔を見せてくれて、何度も私を笑顔にしてくれた。

たった20分の間に益々好きにさせてしまうこの人が、一体どんな風に接するのか───

「腹減らない？」

「………え？」

風を切るような勢いで、私は思わず顔を上げた。

「飯食わない？時間あるなら」

“終了”と告げられた時間が、また動き出す。

「………い、行きます！」

「よし、じゃあ行こ」

笑顔を見せ、隆二さんはまた歩き出した。

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───ねぇ、隆二さん。

どれくらい、好きでいて良いですか

どれくらいの想いなら、あなたの恋を邪魔せずにいられますか。

まだ、もう少し好きになってもこんな風に誘ってくれますか。

少し前を歩くあなたの背中。

その背中が、私だけのものなら良いのに───

想うだけなら、邪魔にはなりませんか。