雪椿の頃。

5 side H ページ42

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「それさ、バックワードネックレス。うちの事務所の女の子の中で流行ってたりする？」









「ん？どうしてですか？」









「いや、隆二が急にそのネックレスのこと聞いてきたから。誰か着けてたのかなぁと思って」









「あ、これは……」









新人スタッフは少しはにかんだようにチェーンを指にかけた。









「☆さんの真似なんです」









「A？」









「はい。私☆さんに激しく憧れてるんで！背中でキラキラしてるネックレス素敵だなぁって真似させてもらいました」









「Aの真似……」









俺はニコニコ顔の新人からAのデスクへと視線を移した。









「……あっ」









こちらに背を向けて座っているAのうなじの辺りに、









艶々と光るパールが一粒、さりげなく揺れていた。









───“あれ何て言うんだっけ。ほら、チャームが前じゃなくて後ろにあるネックレス。パールとかの”










「隆二、Aの見たんだなぁ……」

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