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───お化粧が上手になる度に、自分のその時の感情を隠すのが上手くなる。









「よし……」









リップスティックをポーチにしまいながらトイレから出た瞬間、









「痛っ!」









誰かと思いっきり肩がぶつかって、私は突き飛ばされるように2、3歩よろけた。









「すみません!前見てなく……て……」









振り向き様に謝ると、









そこには隆二さんが立っていた。









「あー!ごめんごめん!」









「い、いえ……」









「俺もボーッとしてて。大丈夫だった?怪我してない?」









「はい……」









“うん”と頷いた隆二さんが足を踏み出した時、









その足元から“パキッ”と乾いた音がした。









「え……」









隆二さんがゆっくりと左足を上げる。









「「あ……」」









そこには、ぶつかった弾みで私の手から落ちたリップスティックが









見るも無惨な姿で床にへばりついていた。

君の瞳に──。→←4



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作者名:ぽち。 | 作成日時:2017年12月23日 23時

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