検索窓
今日:66 hit、昨日:45 hit、合計:519,080 hit

5 ページ11







四季は手すりの間に顔を押し込むように彼女を凝視した。









「うーわ。あの子かぁ」









「可愛いよね……何かぬいぐるみ的な……ね?」









「は?」









「え?」









「あれ、可愛いか?」









「可愛いと思うけど……」









白いニット、柔らかそうな素材のスカート、テカッとした顔にパステルカラーのネイル。









「男ウケ抜群って感じで可愛くない?」









私の発言に、四季は擦り傷をいじられたように顔をしかめた。









「………やめとけば?」









「………やっぱ私じゃ敵わない相手ってこと?だよねぇ、可愛いもん」









「じゃなくて。隆二さんへの片想い」









「え?」









「あんな分かりやすい女を好きになる人に、Aの魅力が分かるとは思えないな私……」









スッと目を細めた四季が、不服そうに唇を尖らせた。









「見る目ないんだなぁ、隆二さん……」









.









.









.









“やめとけば?”









そう言われてやめられたら、どんなに良いだろう。









恋にかたちがあるならば、そこに触れずにいられるのに。









輪郭すらないせいで、気が付けば触れてしまっている。









もし私の恋に隆二さんが触れたなら、









私はどんな気持ちになるでしょう。









掴んで揺さぶって欲しいなんて言えない。









でも、綺麗なあの指先で触れてもらえたら、









どんな気持ちになるのでしょう───。

見る目、見た目。→←4



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (129 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1024人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽち。 | 作成日時:2017年12月23日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。