4 side T ページ25
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「お、臣さん?ほら、臣さんが誘ったんだからカンナちゃんの相手してあげないと」
「あ、あぁ!だよね!カンナ、あの……ケーキ食べる?」
何で最初っからケーキなんだよぉおぉぉお!!
“カンナの好きなやつあっちにあったよ”とかって────
「あ、食べます!」
食うのかよぉぉおぉぉおぉ!!
「じゃ、じゃあ、あっちにあるから行こ!」
歩いていく二人を見ながら、何故かとても疲れている自分に気が付いた。
「岩田さん、大丈夫?顔が半分死んでる」
小夜に心配そうに顔を覗き込まれ、俺は慌てて笑顔を作った。
「大丈夫。臣さんたち、良い感じだよね。意外と似た者同士なのかも」
「ね?カンナも楽しそう」
いつもの優しい笑顔で微笑んだ小夜は“あっ”と言う顔をしてAの方を見た。
「A、隆二さんは?」
「んとー………あそこ」
「「うわっ」」
隆二さんはお喋りしてた。
女の子と。
「A来たよって言ってくるよ俺」
「あ!大丈夫です!私、あーいうの気にならないから。それに今日は“戻ります”って挨拶メインだし。ほら、二人とも行って行って」
しっしっ、と手で払い除ける仕草をしたAに「あとでね」と声をかけ、俺は小夜の腕を軽く掴んで歩き出した。
「……本当に大丈夫なのかな」
「Aのことだから嫌だったらちゃんと嫌って言うと思いますよ」
「そう……あ、小夜もケーキ食べる?」
「さっきジュースいっぱい飲んじゃってお腹はあんまり」
「本当?じゃあ、その辺座って話する?」
「うん」
移動するまでの間に目についたカナッペを2つペーパーナプキンに乗せ、俺たちはソファに腰を下ろした。
「なーんか……凄い人ですね。毎度のことですけど」
「そうだね、それに今日は特別多いんじゃないかなぁ………臣さんたち、どこ行った?」
「あれ?ケーキ食べてたんじゃなかったのかな……電話してみます?」
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2017年5月6日 21時