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「良いの!あのとき私たちももっと出来ることあったかもしれないのに、ごめんねカンナちゃん………あの……えっとね……飲まない!?」
我ながら“飲まない!?”はないと思ったけど………。
「そうしよ!昔の話は終わり!だよねA」
「うん、そう。終わり!座ってカンナちゃん」
私がそっとカンナちゃんの腕を引っ張ると、彼女は少し恥ずかしそうに椅子に座った。
「はい、メニュー。小夜はノンアルコールの方ね」
「小夜ちゃんは相変わらず飲めない?」
「そうなの!体質に合ってないのかなぁ」
「でもねぇ、小夜この間ベロベロでうちに来てねぇ」
「黙って」
「泣いて泣いて」
「A!」
「じゃあ今日もいっぱい飲ませたら小夜ちゃん泣くかなぁ?」
「泣くかも!あのねぇ、こう、土下座みたいな格好で」
「A!」
時間軸があっという間に昔に戻った感じがした。
小さな丸いテーブルを囲んで3人で語らっている時間があまりにも楽しくて、もう食事会なんか行かなくても良いやって思ったけど
そうもいかない。
この楽しい時間は臣さんの功績に寄るところも大きいから。
────笑ってるカンナちゃんを見て、
臣さんへの気持ちはどうなったんだろうと、静かに湧いてくる疑問を、私はビールで流し込んだ。
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2017年5月6日 21時