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3 side R ページ24




“今までの子”にこんな疑いかけられたらムスッとして口も聞きたくなかったのに。









「お前は………」









謝らない彼女を何で可愛いと思っちゃうんだろ。









「お前はぁあぁ!!」









彼女に飛び付いて全身くすぐってやった。









「あぁあぁぁあぁ〜!」









「なんつー声出してんだよ!」









ソファの上で思いっきり体重をかけて押し倒し、身体中に指を這わすと、彼女は首を後ろに反らせ笑い声を上げた。









勢いよく吹いたシャボン玉が次々弾けるような笑い声に、俺も段々可笑しくなってくる。









「謝るから止めて!」









「だめ」









「重い!重いしくすぐったい!」









「乗っかってるしくすぐってるからね」









「もー!本当無理!」









小犬のように二人でじゃれているうちに「ごめんなさい!」とAが叫んだ。









「お、謝ったな」









「ちゃんと中も見れば良かったです。ごめんなさい」










笑い声は止み、二人の息遣いだけがそれに取って代わった。









「どうも隆二さんのことになると思考が浅くなって……ダメですね」









指で押したくなるようなえくぼを浮かべて、Aは“はぁ”と息を吐いて微笑んだ。









「隆二さん……怒ってる?」









「怒ってる。すげぇ怒ってる」









「………本当に?」









「んー………嘘」









怒れない。何でだろ。









「隆二さん」









“起こして”と両腕を広げた彼女の手を握って、勢いをつけて引っ張っると自然と向かい合う形になった。









「あー、笑いすぎてお腹痛い」









ニコニコしていたAは、ふっと表情を固くし顔を隠すように俯いた。









「あのね……もし、本当に匂いのするものあったら捨てて下さいね。私、苦手だから、そういうの」









「ないって」









正面から抱き締めて、背中を撫でながら「2年間、Aのことだけ考えてたよ」と囁くと、彼女の白い首すじに朱が混じった。









この色は、彼女が俺を想っている色なんだと思うと、胸の中で何かが膨れ上がり喉にこみ上げ、堪らずそれを彼女の唇に移した。

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作者名:ぽち。 | 作成日時:2017年3月4日 17時

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