5 side R ページ21
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「何かあったのかなぁ」
臣は唇を軽く噛みながら、カメラの向こうの岩ちゃんを見ている。
「……あったのかもな」
「え？隆二、何か知ってんの？」
「いや……ただ、あったんじゃないかなぁって」
“ほっとけないタイプ”なのは岩ちゃんもそうだよ。
俺にはちょっと気になることがあるけど、それを彼に聞いて良いのか分からない。
出来れば、彼から頼ってきて欲しいと思う。
力になれるかは分からないけど。
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11時少し前。
“今から帰るよ”と送ったLINEに既読が付かないことに“ん？”と思いながら自宅に帰り、部屋の鍵を開けた。
「Aー？」
靴を脱ぎ、もう一度名前を読んだけど返事はない。
「寝てるのかな………Aー？」
リビングのドアを開けて真っ先に目に入ったのは、腕を組んでソファに座っている彼女。
「なんだ、起きてんじゃん」
「隆二さん」
俺を見る彼女の表情は………あ、あれ？これ、怒ってるな。
「隆二さん！」
「な、何？」
「こっちにいらっしゃい」
「………はい」
─────6敗目は、何でしょうか。
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作者名：ぽち。
| 作成日時：2017年3月4日 17時
