2 side R ページ33
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「あいつ、絶対何か隠してる………」
臣と岩ちゃんは顔を見合わせて同時に首を傾げた。
「何かって？」
「ほぼ毎日アパート戻ってんだぞ？おかしくない？何してんの？って聞いても“ちょっと”しか言わないし。ちょっと浮気してんじゃねぇだろうな」
「ないでしょー！Aが浮気は絶対ない！ね、臣さん」
「ないない！絢曰く、隆二バカらしいよAは」
「じゃあ、何してんの？」
「それは知らないけど……」と二人は口ごもった。
今日はAが言った“あと２日間”の最終日。
このまま何も知らないのは嫌だなぁ。
「俺行ってみようかな。アパート」
「「えぇ！」」
「何？その反応」
「いや………万が一……」
岩ちゃんはそう言って、唇を閉じた。
「万が一？」
「う、浮気してたとして鉢合わせたらどうすんの？」
「浮気相手と！？上等だよ」
勢いをつけて椅子から立ち上がって「お疲れ！」と事務所を出る。
いつもより歩くスピードが早かったせいか、アパートに着いた時にはまだ自分が口にした“上等だよ”が耳の奥で響いていた。
「よし」
Aの部屋を見上げて、小窓から明かりが漏れているのを確認して俺は階段を一気に駆け上がった。
ドアの前で一呼吸置いて、コンコンコンと３回ノックすると「はい」と中から返事があった。
「俺」
「隆二さん！？」
「他に“俺”が居んのか！？」
「ちょっと待って！」
「ちょっとちょっとって！お前何してんだよ！」
「待って！」
ほら！怪しい！何ですぐ開けられないんだよ！
「開けろ！」
「あと5分！」
「はぁ！？」
5分？5分あったら中に居る男を２階から飛び降りさせて逃がす時間があるかもしれない。
「今すぐ開けろ！」
「あと3分！」
「制限時間か！おい！」
もう１度、強めにドアをノックした瞬間、Aが中からドアを開けた。
「お待たせ！どうぞ！」
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作者名：ぽち。
| 作成日時：2016年12月23日 18時
