4 side R ページ26
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「どーぞどーぞ!隆二さんの背中、私のファンデーション付いちゃってますけどね!」
「うそぉ!?まじで!?」
「まじ。“すがる女を振り払ってきたんだなー”って思われながら帰ったら良いじゃないですか。私は膝痛いけど」
酒癖悪いな………。
「痛いのは分かった!俺が悪かったのも認める!だから立って!」
「やだです」
「“やだです”って何だよ。タメ語か敬語かどっちかにしろよ。って言うか何?痛いの治るまでそこに座ってるつもり?」
「うん」
「ダメだって!風邪ひくから!」
「じゃあ痛いの治るまでどっか入る」
「どこに?」
「んー………あそことか?」
Aが指を差した方、そこには────
「………嘘だろ」
明確な目的がなければ利用しない、それはそれは………艶かしいホテルが建っていた。
「ダメだろ。あそこは………ダメだろ」
「なんで?良いじゃないですか。ほらぁ、ライトアップされて綺麗ー。入ろ?」
「………嘘だろ!?」
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本当に置いて帰るわけにいかず、立ち上がらせようとしたら“やだです!”と叫ぶから人目が気になる………
何度かの押し問答の末、結局彼女に押し切られて入っちゃったけど………
「リゾートホテルみたーい!」
「しっ!声でかい!」
“んふっ”と笑ったAは楽しそうにロビーを見渡してニコニコしている。
何て言うか……随分開放的なロビーだこと。
普通、こういうホテルって誰にも会わないようにされてるんじゃないの?最近はオープンなの?
「はぁ………」
大体、ド平日のこんな時間に何でほぼ満室なんだよ。
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2016年12月23日 18時