3 side R ページ25
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背中にドンッ!と衝撃が来て振り返ったら、 Aが“きをつけ”の姿勢のままアスファルトにうつ伏せになって倒れていた。
「…………え、大丈夫?」
ピクリとも動かないけど。
「ちょっと……生きてる?」
「…………かろうじて」
ムクッと起き上がったAは、その場で体育座りをして膝を抱えた。
「…………いたーい。膝いたーい」
「そりゃ痛いだろうな。ズザザザーっ!て音したもん」
「隆二さんが急に止まるからじゃん!」
「ごめんごめん。待ってー!って言うからさぁ」
傍に寄って“ほら”と差し出した手を、Aはチラリと見ただけで握ろうとはしなかった。
「こんな道端に座っててもどうしようもないじゃん。ほら、立って」
「…………いたーい。膝いたーい」
「それは聞いたよさっき」
「歩けないよー………膝が死んでるもん」
「死んでねぇし」
「しかも食べたあとすぐ走ったから脇腹も痛い………」
「んじゃそこで車拾って帰ろ」
「あっ今、脇腹も死んだ」
「死んでねぇから!」
これ、歩かないつもり?
何で酔うと歩かないモードに入っちゃうのかなぁ。
「隆二さんが“よーし!来い!”って受け止めてくれたら良かったんじゃん!」
「おー、怒ってる怒ってる」
「…………」
「どーすんの?歩かないの?」
「そうするぅ………」
「はぁ?なぁー、帰ろうよー。俺が悪かったから」
「帰りたいなら隆二さん帰って良いよー?私は膝痛いけど」
このお姉さん、唇尖らせて完全に拗ねてるけど………走ってアルコールが駆け巡っちゃったかなこれ。
「本当に置いて帰るよ?」
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2016年12月23日 18時