検索窓
今日:42 hit、昨日:5 hit、合計:383,692 hit

4 ページ21




「Aはそう言ってくれるけど、俺はこうやって言葉にして何回も伝えないと不安って言うか………口ばっかりじゃんって思うかもしれないけど」









「思いませんよ?私、隆二さんのこと口ばっかりとか思ったこと1回もない!」










「ありがと。でも、実際ちゃんと………形式的にって言うの?そういう風にしてあげられないからさ」









「………結婚とか、そういうことですか?だったら良いんです私。隆二さんきっと良い旦那さんになって、優しい父親になるんだろうなって思いますけど………でも私はまだ隆二さんと恋愛してたいから、良いんです」









強がりなんかじゃなくて、本当にそう思っている。










いつか………とは思うけど、色んな物を背負ってる彼が家族まで背負い込むには、早すぎる。









「気にしすぎ、隆二さん」









「………けど、その恋愛も我慢させることが多いから。手が寒そうだなって分かってるのに、握ってやれなくて………コーヒー買ってやることしか出来ない、外じゃ」









私はまた、泣くのを堪えるために唇を噛んだ。









「でも……たまに分からないように繋いでくれるから、私は充分です」









隆二さんの目に光るものが見えた。









風のせい?それとも………泣いてるの?









「お前はいっつもそうやって、聞き分けが良いから………」









隆二さんは苦笑いをしたあと、私の手のひらからピアスを取った。









「俺が左耳にするのはAを守るっていう決意。Aが守ってもらいたいのが俺だったら、受け取って」

5→←3



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (146 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
841人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽち。 | 作成日時:2016年12月23日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。