7day☆6night (ページ29)

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カバンから鍵を取り出そうとしたら「こっちでしょ」と臣さんの部屋に引っ張られた。

「そ、そんなガッツかれても困ります」

「誰が！それじゃあ、おやすみーだと味気ないなと思ったんじゃん」

「本当かなぁ」

「俺、妊娠騒動起こすの嫌だもん。それとも坂道ダッシュして買いに行けって？」

臣さんは高校生なんかに戻ってなくて、ちゃんと三十路に片足突っ込んだ大人だった。

「明日からどうしようか？」

シャワーを浴びてホカホカの臣さんの胸の中。

隣の席よりずっと良い。

「みんなに黙っとく？」

「んー…あ！隆二さんは私の気持ち知ってるんで、言いますね」

「隆二は君の何なの？！安パイだったり相談相手だったり！」

「素敵そうな彼女がいる詩人ですよ」

「素敵そう？あぁ、会ったことないのか」

「どんな人ですか？」

「……今度、事務所行ったら教えてあげる。て言うか、他所の話は良いから、うちの話しようよー」

“うちの話”だって。

「うちの話……良いですね」

ギューって音がしそうな勢いで臣さんの胸に顔を埋めてみた。

「……やっぱダッシュしてきて良い？」

「しなくて良いです」

今日はよく眠れそう。

そして良い夢が見られそうな気がする。