2 ページ13
・
意気込んで出掛けたのは良いけど
一人じゃ危ないと言った、おばさんの言葉の意味がよく分かる。
漆黒の暗闇。
これは健二郎さんに付いてきてもらったら良かったんじゃないかな。
何か頼もしそうじゃない?藪の中。
若干、帰ろうかなと思い始めた時
「あー!」
光の乱舞と形容すれば良いんだろうか。
私の目の前に規則正しい点滅が広がっている。
「すごい……」
帰らなくて良かった。
息を飲む光景に見とれていたら
「これかぁ!」
私の背中で聞こえた声。
誰かすぐに分かる。
「臣さん、駄目ですよ。お顔、蚊に刺されたらどうするんですか?」
「こそこそ出ていくの見えたから気になるじゃん。何で内緒で行くの?独り占め?」
「はい、独り占めしたくて」
ホタルも臣さんも。
「なにー?」
そう言って片眉を上げた彼。
その顔、大好物です。
351人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽち。 | 作成日時:2015年6月12日 19時