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私たちは、よく喋ったしよく食べた。
真剣な話、くだらない話、今までしたことないような話
知ってるようで知らなかったお互いのこと。
もう、強がりも下手な嘘も装うことも要らないなと思った。
「あー！お腹一杯！ごちそうさまでした」
「いえいえ」
ピザまんが胃に入る余裕が出来るように、二人で歩いて帰った。
暫くして、静かな夜の道に私のじゃない着信音が響いて
「あ、ちょっとごめん」
隆二さんが「もしもし？」と電話に出て、ニヤッとしながら私を見た。
そして「ちょっと待って」と言って、私に携帯を差し出してきた。
「え？」
「いーから」
“話して”という仕草をされて、恐る恐る耳にあてて「もしもし？」と言ったら
“あれ！？Aちゃん！”
「臣くん！」
思わず隆二さんを見たら楽しそうに笑っていた。
“何！？なんで！？どうしたよ！？”
お前がどうしたよ。
“今だよ！今さ隆二に、こないだAちゃんに会ったよーって言ったんだよ！え？何で？あ、ワープ？”
「え！！今言ったんですか！？」
臣くんは私と話した次の日、仕事場で隆二さんに言おうと思って近付いたらしい。
でも凄いしかめっ面で携帯を見てたから、あぁこれは自分で連絡するんだろなと思って黙ってたと言った。
「そうだったんですねぇ」
“だけどさー、待てど暮らせどあいつの顔の具合が良くならないからさー”
「顔の具合……」
“まだ連絡してないんだと思ってさー。なんだよー、どうなってんだよー”
「あ、あの代わります、隆二さんに」
私は携帯を隆二さんに返して“別に聞いてませんよ”と言う風に通りのお店を眺めた。
でも耳は尋常じゃないくらい澄ましていた。
「そうそう………いや、今日。うん………はぁ！？」
な、なんだ。
「お前やめろよそういうこと言うのー！………まぁねー……うーん」
うーん。
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作者名：ぽち。
| 作成日時：2016年2月14日 21時
