2 ページ6
・
「良くないんです。大事な話なんです。私は隆二さんと居たら自分がダメになると思いました」
「うん」
「でも、隆二さんが居ないとダメなことに気が付きました」
無尽蔵な私の涙が溢れ出す。
「だから……一緒に居て欲しいんです」
「もう居るじゃん。一緒に」
私は隆二さんと居るとよく泣く。
そして
「お腹すきました………」
「ムードとか……まぁいっか、何食いたい？ピザまん？」
「それは、しめ」
「しめ！？」
よく笑う。
.
.
.
「この時間の中華とか絶対ヤバイよね」
「ヤバいですよね」
「「でも美味しいー！！」」
私はこの日“食べなきゃ”じゃなくて“食べたい”と久しぶりに思った。
隆二さんが目の前に居るだけで、上手にご飯が食べられるようになった不思議。
「なぁ」
「ん？」
「これなんだけどさ」
隆二さんはカバンの中から、私があげたスケッチブックを取り出した。
持ち歩いてるのかな？
「“C12H22O11”って何？」
そう言って表紙を指差した。
「化学式です。スクロースって言う砂糖の主成分の」
「で？」
「へ？」
「そのスクロール？」
「スクロース」
「スクロースの化学式を何で表紙に書いたの？」
「タイトルですよ？そのスケッチブックのタイトルは“C12H22O11”なんです」
「は？」
「だからぁ！隆二さんとか、隆二さんと行った場所とかを描いたスケッチブックだから、そのタイトル」
「どういうこと？」
「砂糖は甘いでしょ。隆二さんは甘いんです、私の中で」
「…………何か照れる」
そんな事言われたら私が照れる。
二人して赤面してしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2265人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽち。
| 作成日時：2016年2月14日 21時
