色戀、召しませ。5 (ページ43)

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To Darling. ページ43

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私は、そんな大事なことが明日に迫ってるとも知らずに

絶対コンビニなんかに行かないで帰ってきた隆二さんにしつこく聞いた。

「隆二さーん。あの本なに？知りたい」

「知らなくて良いよ」

「……じゃあチョコレートはどこの？」

「良いって気にしなくて。それより明日どこ行きたいか考えといてよ」

「はーい………」

もう半分寝かかっている隆二さんは私の膝に頭を乗せた。

「おやすみなさい」

「おやすみー……」

腰に回された腕の暖かさを感じながら、私はまたページをめくる。

そして、この腕の暖かさが一番良いなと思う。

隆二さん以外の誰かの腕の中に居るなら、吹雪の中で凍えていた方が良い。

…………この例えはちょっと痛すぎるな。

でも、それくらい心地良い。

だんだん私も眠くなってきて、本を置いてそのまま後ろに体を倒した。

でも中々眠れなくて仰向けのまま、バッグから取り出したスケッチブックをパラパラ捲った。

残りが３ページになったそれを持ったまま、少し勢いをつけて起き上がる。

間違えようもうない日付をカレンダーで確認して、彼を起こさないように残りのページに鉛筆を走らせた。