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「これから、色んな噂がAちゃんの耳に入ると思うんだけど………。何が嘘で誰が本当のこと言ってるか、ちゃんと見極めて欲しいなと思うんだよね」
「急に……何か怖いな」
「あー！今どうこうじゃないよ！？例えば………俺とAちゃんが一緒に買い物行ったりしたじゃない？それを見た人が“彼女”と思うか“友達”と思うかは分からないじゃん？」
「うん」
「“彼女”と思った人が臣が彼女と歩いてた、とか呟いて……一瞬だよね。嘘が噂になるなんて一瞬。んで、噂はいつのまにか事実みたいになるんだよ」
私はちょっと不安になった。
「……私と噂になったんですか？」
「例えばって言ってんだろ！噂になってたらその画面スクショして送ってるわ！」
先生に怒られた。
「す、すみません」
「でもね、噂は噂。嘘は嘘」
「そう……なのかな？素人っぽい発言しますけど、あー！この人たち結婚したんだー！やっぱ付き合ってたんじゃん！とかあるじゃないですか…」
「じゃあ聞くけど隆二とAちゃんの噂って立ったことある？」
「ない………」
「ほらね？本当のことは意外と表に出ないんだよ。色んな噂の中に本当のことが隠れてる……そう思うと噂も悪くないか。隠してくれるから」
臣くんは笑ったけど、私には泣いてるみたいに見えた。
「噂で好きな人とダメになるって悲しいじゃん。ね？」
目をふせた臣くんを見て、
彼には噂でダメになった恋があったんじゃないかと思った。
こうして私に気を使ってくれること
頻りに私に“勿体ない”と言っていた意味や
今、私に話してくれたこと
臣くんは、自分が失った恋を参考書にして私に教えてくれていると思った。
“後悔するな”と。
とても分かりやすくて、ためになって
もしこれから先、何か耳にしてしまったら隆二さんに真っ先に確かめようと心に決めた私。
でも先生
この授業、先生には辛くなかったですか？
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作者名：ぽち。
| 作成日時：2016年2月14日 21時
