色戀、召しませ。5 (ページ17)

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「そうなってんのー。１回別れる前は“３日位寝なくても平気なんですぅー”って言ってたじゃん」

「………私そんなバカみたいな喋り方してるんですか！？気付きませんでした、改めます」

「違う！……違う！違う！今その話じゃねぇだろ！」

スタスタスタ……と音がしそうな歩き方でソファに座って、足を組んだ隆二さんがムスッとしている。

私は水を止めて、どうしようかな……と考えて

隣に座って、その横顔をジーっと見てみる。

隆二さんも……結構頑固？

「じゃあ私の家に来ませんか？このまま此処に泊まると朝が大変だけど自分の家ならそうじゃないし……ダメ？」

「……良いよ」

譲歩と固持。

安定させるためには、バランスが大事。

さむーい、と二人で家まで歩いて帰って

隆二さんは部屋に入るなり「コタツだー！」と喜んでいた。

天板の塗装を剥がして、廃材柄の壁紙を貼ってからウレタンニスを塗ったコタツ。

特にそれに触れることもなく、隆二さんは「あー……」と中に潜り込んだ。

「そこで寝ちゃダメですよ？」

「うーん……」

返事のわりにクッションを枕代わりにして、肩までガッツリ潜ってますけど……。

寝転んでる彼の隣に座ってテレビをつけたら、毎週観ているドラマが始まったとこだった。

「………お前明日早いんじゃないの？」

「うん………でもこれは観たい……」

隆二さんはうつ伏せになって、画面に釘付けな私の手を柔らかく握ってきた。

「俺寝るからなー」

「寝るならベッド行かないと………やだ、可哀想これ」

「寝ちゃうからなー」

「ダメですよ」

「寝ちゃおー」

暫くして「寝てない？」と、彼を見たら本当に寝てた。

「寝顔………」

描きたい気分だったけど、スケッチするのはやめて

「よいしょ………」

私も潜り込んで可愛い寝顔を見ながら、今日は一緒に寝転びます。