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食事を終えて再び作業を開始した隆二さんを、私はまた同じ場所に座って眺めた。
日向の温度が気持ちよくて、ついつい寝転びたくなるけど
それはどうかと思ってサッシに頭を預けた。
…………眠い。
「隆二さーん」
「なにー？」
「休憩しよー」
「はーい」
眠気覚ましも兼ねて、コーヒーを淹れることにした。
氷をいっぱい入れたグラスにドリッパーを直接置いて淹れるアイスコーヒーが、一番美味しい………と私は思う。
「どうぞ」
「ありがとう」
二人して足をプラプラ揺らしながらグラスに口をつける。
「天気良いなぁ」
「うん。良いです」
私たちは暫くボーッと庭を眺めた。
恐ろしい勢いで繁殖しているアイビーをどうにかしなきゃなぁと考えてる時
「スウィングチェア、あっても良いかもね」
隆二さんがそう言いながら、目を細めて庭の角を指差した。
「でしょ！？そう思うでしょ！？」
思わず腕を掴んだ。
「子供なら３人乗れたよね、あれ」
……掴んでいる手に力が入ってしまった。
「こういう天気の良い日に俺と子供が庭で遊んでて、Aがそれをスケッチしてて」
隆二さんは私に微笑みかけて、その表情のまま庭に視線を戻した。
「そういう日の昼御飯はオムライスなんだよ…………って妄想しちゃったじゃん」
隆二さんは笑ったけど私は少し泣きそうになった。
彼の描く青写真があまりに優しくて。
「も、妄想にしても早くないですか？」
「何？こういう話するのが？」
「うん」
「いつなら良いの？明日？」
「………明後日とか」
「明後日ね。分かった」
隆二さんの妄想が現実になるのは容易いことじゃないだろう。
私が関係者なら寝言は寝て言えと言う。
でも、こういう話は明日でも明後日でも毎日聞きたい。
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作者名：ぽち。
| 作成日時：2016年2月14日 21時
