検索窓
今日:4 hit、昨日:49 hit、合計:956,214 hit

4 ページ8





「もう、優しく触って下さいね!劣化してるんですから!」









「だから手抜き工事だったからでしょ?」









「…………圧接屋さんが手抜きだったんじゃないですかぁ?」









「はぁ?なんすか?」









「鉄筋、ちゃんとくっついてないんじゃないかなぁ」









「入ってねぇだろ!」









私は添景パーツの人形の模型を手に取った。









「もー、工期守って下さいよー」









隆二さんも一つ手に取る。









「そっちが余裕持って組まないからじゃないっすかー」









「ごちゃごちゃ言ってないで4種持ってる職人さん連れてきて下さいよー」









「3種しか持ってなくてすいませーん」









「…………」









「…………」









「「なにこれー!!」」









建築現場ごっこ。









バカみたいじゃん!と二人で笑い転げた。









「くだらねー!!」









「今年一番のくだらなさです」









一頻り笑ったあと隆二さんは大きく息を吸い込んだ。









「はぁ〜……。ねぇ」









「なに?」









「何が欲しい?」









寝っ転がったまま、肘をついて私の頬を撫でる。









「クリスマス?」









「そう」









「んー………バーキン。クロコの赤。アレすっごく可愛い」









「まじで言ってんの?」









「嘘に決まってるじゃないですか!!」









少しひんやりした手が服の中に入ってきた。









「………だいぶビビった」









「そんな厚かましい女に見えますか?」









「ううん」









その夜が寒かったかどうか、もう覚えていない。

Angry X'mas.→←3



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (471 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1714人がお気に入り
設定タグ:今市隆二 , 登坂広臣 , 三代目
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽち。 | 作成日時:2016年2月6日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。