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カレンダーが2月になった。
彼と出会った2月。
その日、休みを利用して買い物に出掛けた私。
泣いてばかり居てもどうしようもない。
雑誌を読んでいるうちに、ムクムクと購買意欲が湧いてきて、これも久しぶりなことだった。
今日は買うんだ!と決めた私は最初に買ったスカートを早速「Aカウンターにお願いします」と店員さんに預けた。
「次は………」
仕事用のジャケットを選んでる最中に、はるちゃんから電話がきて………
嫌な予感………。
「どうした?」
“家出したい”
思春期謳歌してるね。
「どこに?」
“Aちゃんとこ。東京”
手にしたジャケットを鏡で合わせながら、さてどうしようかと思う。
「はるちゃんさぁ、止めてほしいの?それともお母さんにチクって欲しいの?」
“どっちも違う!”
「そう?でもね、黙っておくわけにいかないよ私は」
“なんでー?”
「はるちゃん未成年だもん」
“関係あるの?”
「あるよー。あなた自分で責任取れるの?これ、ください」
“………買い物?”
「そう、買い物。このあとマノロで靴買う」
“え〜!!良いなぁ!!”
「良いでしょ〜?はるちゃーん、家出なんかしたら買えないよ〜」
“なんでー?”
「うちに家出してきたら食費、光熱費、家賃、全部折半ね。17歳のはるちゃんがバイトで稼いだお金じゃ足りないかもよ?」
カードの伝票にサインしながら、はるちゃんの溜め息を聞いた。
「何があったかは聞くけど、簡単に家出とか言っちゃダメだからね。はるちゃんが誰かに痛い目に遭わされたとかなら迎えに行ってあげるから。ね?」
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2016年2月6日 21時